【タイプ3】秋の不調に注意!乾燥気味の「肺の疲れ」タイプ

<気になる症状>
息切れ、汗が多い、かぜをひきやすい、皮膚や鼻・のどの乾燥、咳や痰が出る、身体が冷える、舌の苔が薄く乾きやすい

<改善ポイント>「肺」の潤いを保ち、秋冬のかぜを予防する

 食欲不振などの症状を長く回復できずにいると、「脾胃」と深い関わりのある「肺」の機能にも影響してしまいます。肺は呼吸によって「気」(エネルギー)を生み出したり、邪気(ウイルスなど)の侵入を防いだりする大切な役割を担っています。そのため、夏バテの影響で肺の機能が低下すると、秋になってかぜをひきやすくなったり、咳や喘息など呼吸器系の症状が出やすくなったりすることも。また、肺は皮膚と深い関わりがあるため、乾燥による皮膚トラブルも多くなります。

 肺の養生のポイントは「潤い」を保つこと。気になる症状がある人は身体の中から潤いを保つよう心がけ、秋に向けて肺の機能をしっかり高めましょう。

<摂り入れたい食材>
肺を潤す食材、初期のかぜを発散する食材を積極的に摂りましょう
・肺を潤す:白きくらげ、きのこ類、クコの実、梨、百合根、れんこん、白ごまなど
・かぜを発散:くず湯、生姜湯、シナモン、ねぎ、ごぼうなど

れんこんの写真入る肺を潤す食材、れんこん 写真:PhotoAC

【ポイント】生活を整えて、疲れたカラダに元気を取り戻す

 日中は暑さが残るものの、夜は徐々に過ごしやすくなります。熱帯夜で寝不足気味だった人も、早寝早起きを心がけてしっかり睡眠をとるようにしましょう。また、少し涼しくなってきたら積極的に身体を動かすことも大切。寒い冬に向けて十分な体力づくりをしておくことで、かぜやインフルエンザの予防にもつながります。

【長夏の養生・暮らしのポイント】
・良質な睡眠をとって、消耗した体力をしっかり回復しましょう。
・涼しくなったら積極的に運動、秋冬に向けて体力づくりを。
・秋は気分が塞ぎがちなることも。散歩や外出で気分をこまめにリフレッシュ。
・毎日の入浴で、疲労回復、血行促進、冷えの改善を。

涼しくなったら、散歩で気分をこまめにリフレッシュしましょう 写真:PhotoAC

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました