【タイプ1】動機や息切れ、冷えが気になる「心(しん)の疲れ」タイプ

<気になる症状>
動悸・息切れ、胸苦しい、胸痛、手足のしびれ、不眠気味、身体の冷え、顔色が悪い、舌の色が暗い

<改善ポイント>「心」の気・血を守って血流を改善

 中医学には「血汗同源」(血と汗は同じ源)という言葉があり、大量の汗をかくと血の不足にもつながると考えます。また、汗をかくと体内の水分も不足してしまうため、血の潤いが失われてドロドロ血になってしまうことも。

 こうした血の不足や血流の悪化が「心」の負担となってさまざまな不調を引き起こすため、夏は心の養生を心がけることが大切です。思い当たる症状がある人は、体内の気・血を十分に養い、血流を改善するよう心がけましょう。

<摂り入れたい食材>
心の気・血を補い、血行を良くする食材を摂りましょう。
百合根、蓮の実、小麦、鶏ハツ、ぶどう、らっきょう、玉ねぎ、紅花など

心の気・血を補い、血行を良くする食材、鶏ハツ 写真:PhotoAC

【タイプ2】食欲がなく疲労感が強い「脾胃(ひい)の疲れ」タイプ

<気になる症状>
夏やせ、疲労感が強い、身体が重い、むくみ、食欲不振、下痢または軟便、舌の苔が白く厚い

<改善ポイント>「脾胃」を整えてしっかり栄養を

 高温多湿の日本の夏は、体内に「湿」(余分な水分や汚れ)が溜まって脾胃(胃腸などの消化器系)の働きが低下しやすくなります。また、暑さで「心」を消耗したり(「心の疲れ」タイプ参照)、冷たいものを摂り過ぎたり、といった原因から脾胃が傷ついてしまうことも。

 こうした不調が長く続くと、栄養をしっかり摂ることができず夏バテもなかなか回復できません。疲労感や食欲不振といった不調は、「暑いから仕方ない……」とやり過ごしている人も多いものですが、夏の疲れを秋に残すとかぜなどもひきやすくなってしまいます。積極的な養生で脾胃を整え、元気の基本となる体力をしっかり養いましょう。

<摂り入れたい食材>
脾胃を補いながら、体力をつける食材を摂りましょう。
大豆製品(豆腐、湯葉など)、いんげん、山芋、じゃがいも、かぼちゃ、なつめ、りんご、アジ、もち米、米、牛乳など


脾胃を補いながら、体力をつける食材、かぼちゃ 写真:PhotoAC
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秋の不調に注意したい「肺の疲れ」タイプとは