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 北海道を中心に全国高校総合体育大会(インターハイ)が開催中だ。夏休みといえば、部活動の練習を思い出す人も多いだろう。だが、部活動の姿は今、少子化や教員の働き方改革を背景に変わりつつある。そこで高校生の運動部の部員数の移り変わりを調べてみたところ、この10年の間にも小さくない変化が起きていた。

【表】この10年で部員が増えた競技は?

 全国高校体育連盟(高体連)は連盟に登録されている生徒数のデータを毎年まとめている。それによれば、運動部に所属する生徒の数は直近の2022年度に110万6272人で、10年前の12年度から9%近く減った。

 文部科学省によると、22年度の高校の生徒数は295万6900人だった(定時制や通信制を含む)。10年前からやはり約12%減っている。

 少子化で高校の生徒数が減るのに合わせて、運動部に所属する生徒も減少したようだ。

 だが、その中でも部員が増えた競技がある。

 男子ではバレーボール、バドミントン、登山の三つだ。高体連のデータのある35競技の多くは部員が減っているから、この三つの増加ぶりは際立つ。

 このうち、バレーボールの増加率は42%で最も高い。この10年で全国の男子部員数は1万5千人あまり増えた。

 男子バレーボールは7月の国際大会「ネーションズリーグ」で強豪のイタリアに競り勝ち、初めて3位に入った。前身のワールドリーグや五輪、世界選手権、ワールドカップを含めた国際大会で男子が表彰台に立つのは実に46年ぶりだ。

 こうした快進撃は、若い世代のバレー人気が下支えした面もあったのかもしれない。この間、高校の男子バレー部が舞台の漫画「ハイキュー!!」や、テレビアニメ化された小説『2.43清陰高校男子バレー部』(集英社)のヒットもあった。

 バレーボールに次いで高かったバドミントンの増加率は37.2%だった。この間に部員数は1万8747人増え、増加数ではバレーボールを上回る。

 登山の増加率は9.8%で、1割近い伸びだ。登山はもともと部員数が少ないため、増加数でみると1千人に満たないものの健闘している。

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