焼酎は透明感があってクセがなく、20度近いアルコール度数の割に飲みやすい。日本と異なり、米や麦、さつまいもなど、さまざまな穀物を複数蒸留して作ることが多く、地方ごとに特産の焼酎が存在するが、韓国で一番飲まれているのはチャミスル(18度)。国内シェアナンバーワン、国民から愛されているお酒の代表格だ。竹の活性炭でろ過して不純物を排除しているため、すっきりとしたクリアな味わい。チョウンチョロム(18度)は2006年に発売された比較的新しい焼酎。ほんのりとした甘みがあって飲みやすく、瓶を振ってから飲むとまろやかな味わいに変化するので、ぜひ試してほしい。
クセのない焼酎は、基本的になんにでも合わせやすいが、代表的な料理は3つ。豚の三枚肉を焼いた「サムギョプサル」は日本でいう「ビールに餃子」のように、なぜかわからないけど定番、という組み合わせだ。「海鮮系」は、寿司に日本酒が合う原理と似ている。海産物で有名な釜山の焼酎C1(21度)との相性が抜群。C1はイオン水中で生成した水で造っており、後味がさっぱりして清涼感がある。テナガタコをコチュジャンとニンニクで炒めた「ナクチポックム」などの激辛料理は、口に入れて、一気に焼酎で流し込めば辛さが和らぐ。
日本人が好んで飲む白く濁ったマッコリは、米を主原料とするお酒。若干の酸味と発泡があり、乳酸菌も含まれるが、もともとは「おじさんが飲むもの」という印象が強かった。ただ、最近になってフルーツと混ぜてカクテルのようにして飲むスタイルが流行している。
米以外にも、とうもろこしマッコリや栗マッコリ、山イチゴのピンク色に染まったポップンジャマッコリなどもあるので、飲み比べてみても楽しい。マッコリに合うのが、ゆでた豚肉をピリ辛タレやキムチなどと一緒に野菜で包んで食べる「ポッサム」。マッコリが豚肉のうま味や甘みを引き立たせてくれる。
ちなみに、飲みすぎてしまった翌日の酔い覚ましには、あっさり味で栄養豊富なプゴクッ(干しダラのスープ)が効果的だ。
(構成/生活・文化編集部 清永愛)