というのも、自分には時間がなくて活動時間が10分しか取れない場合には、能力的には自分の半分に満たなくても、外注先に2時間かけて仕上げてもらった方がいいアウトプットができるからです。その2時間で、自分は自分でできることを進めた方がよっぽど効率的に物事を進めることができます。
つまり、自分の時間的なリソースも考えつつ、いいアウトプットを出してくれそうな人に頼めば良いわけです。
たとえば、掃除がすごく得意で、ルンバよりも自分の方がきれいに掃除できるとします。短期的に見れば、自分で掃除した方が、良い結果を得られるかもしれません。
でも、ルンバに掃除してもらっている間、自分は仕事や勉強や睡眠など、もっとリターンの大きいことに時間を使えます。
少しぐらい部屋の隅のホコリが残っていたとしても、自分はルンバのマイナスを補って余りあるくらい価値があることに時間を使えばいいのです。
勉強できる時間も限られていると知ろう
私は、英語コーチングの会社を経営しているので、「社長だとお忙しいですよね?」と言われることがあります。実際には、まったくそんなことはありません。
平日でも丸1日ぐらいだったら、空けようと思えば、空けられます。
1時間だけミーティングが入ったりすることはあっても、1日ずっと拘束されるようなことは、基本的にありません。
もちろん、事業の構想や経営の方針は考えています。だから「何もしていない」と言うと語弊があるのですが、いわゆる「手を動かす」のは、それほど多くはありません。
後の時間は、情報収集したり、戦略を考えたり、経営状況を確認したりしています。
経営者が自分で手を動かさなくてもいいという状態。これが、会社が最も成長できる理想の状態だ、と私は考えています。
しかし周りを見渡すと、すべての社長が暇なわけではありません。
むしろ、現場に出て、誰よりも手を動かしている社長の方が「いい社長」とされていたりする。しかしこれは、組織の弱点になると思います。