みなさんが「勉強」するのには、給料を上げたいとか、転職するための資格がほしいといった目標があると思います。仕事もあれば家庭生活もある、そんな中に目標のための「勉強」を割り込ませるためには、いかに自分が苦手な仕事を他者み任せて=外注化して、自分の時間をひねり出すかにかかっています。最近出版された『9割の「努力」をやめ、真に必要な一点に集中する勉強の戦略』(岡健作著・朝日新聞出版)から、一部抜粋、再編集して、より効率的に勉強ができるか、解説します。
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限られた時間を、最大限活用する勉強法
「何をどのように外注するか」のもう一つの判断基準は、戦略の基本と同じで、「ゴール」から逆算することです。達成したいゴールを基準にすれば、外注すべきものが見えてきやすくなります。
そのときに念頭に置いておくべきなのは、達成したいゴールには「制限時間」があることです。
「次のTOEICの試験で」800点を取りたい。
「30歳までに」転職するためにこの資格を取りたい。
と、目標には制限時間がついていることが普通です。
制限時間を意識した際には、能力的には自分でできることでも、時間的に全部することは不可能だと気づくはずです。
たとえば、料理も掃除も、仕事も全部やりたいし、その上で勉強もやりたい……。
なんて言っていたら、キャパオーバーしてつぶれてしまいます。少しはゆっくりしたり、好きなことをしたりする時間も、人間には必要です。
そうなると、もう残る時間は少ししかありません。
能力的にはできるけれども、できることを全部やろうとしていたら、まったく手が回らない。「できるけど、自分でやる必要のないこと」は、やっぱり外注する必要があるのです。
確かに、「自分でやった方が、人に任せるよりクオリティが高い」という人もいます。
しかし、自分の方が外注先よりも仮に能力が高かったとしても、「アウトプットの質」で比較すると、正直そんなに変わらないことも多いものです。