松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、12人目のゲストは俳優の藤木直人さんです。同じ事務所の先輩である藤木さんのことを親しみを込めて「おじき」と呼ぶ松下さん。2人の飾らないトークの始まりです。
松下 今日は所属事務所キューブの先輩、藤木さんに来ていただきました。よろしくお願いします!
藤木 よろしくね。(これまでの対談ページをめくりながら)こんなにやってるんだよね。みんな知り合いなの?
松下 いえ、この企画で初めてお会いした方もいらっしゃいます。獣医師の太田快作先生、川谷絵音さん、魔裟斗さんは初めましてでした。対談に特にルールはないので、いつも楽しくおしゃべりさせていただいています(笑)。
藤木 (笑)。
松下 いまの事務所に所属したばかりの時、大先輩の藤木さんとは共演はもちろん、お会いできる機会もほとんどありませんでした。
事務所の創立記念パーティー、もしくは事務所で取材を受けている藤木さんに偶然お会いできたらラッキーで、「ひとことでいいからお話ししたい!」と願う憧れの存在で。
藤木 洸平くんと出会った頃のことで覚えているのは、当時事務所に所属していた「いきものがかり」が出ている紅白を、ホテルの大きめの部屋で事務所スタッフたちとみんなで観るという内々のイベントでのこと。俺は家族と一緒に参加していたら、マネジャーが連れてきていたのが洸平くんだった。大事に育てられてるんだな、という印象だった。
それとプリンスライブね。事務所の若手が歌ったり、踊ったりするんだけど、いつも中心にいるリーダー格だった。なんでも器用にできるんだなと注目してたよ。
松下 プリンス!(笑)。なつかしいです。とにかくいろんな人に知ってもらいたいという想いがあって、事務所の企画には必ず参加していました。
藤木 プリンスの中に、なぜか加藤諒くんもいてね(笑)。めっちゃくちゃ面白かったな。うちの事務所は、個性的な飛び道具がいっぱいいるからね。
松下 飛び道具って(笑)。
藤木 洸平くんみたいに正統派でちゃんと売れた人は初めてだと思うよ。舞台「母と暮せば」に出たのは2018年? あの年がターニングポイントだよね。
松下 そうですね。
藤木 賞をもらって、翌19年がNHKの朝ドラ「スカーレット」でしょ? ようやく世間が気づいたかと思った。舞台などで地道に頑張って、力をつけてきたからだと思うよ。