AERA 2023年7月31日号より
AERA 2023年7月31日号より

「好きな洋画や洋楽に接するのもいいでしょう。ただ最初のうちは、テキストと英語の発音両方を確認しながら勉強できるCDやDVD付きのテキストが1冊、あったほうがいいかもしれません。『よく使われるこのフレーズは、こう聞こえるんだな』ということを一つ一つ確認していく。少しずつ真似できるようになり、さらに楽しくなり、といった正のスパイラルに入っていけると思います」

 英会話を始めてみても、三日坊主で終わってしまう。そんな悩みを持つ人も多いだろう。だが、瀧さんは「それは当たり前」だと言う。

「『現状維持バイアス』というのですが、現在の習慣に新しい習慣を入れることはとても難しいのです。その当たり前をどう乗り越えるか。新しい習慣は、個人差はありますが、2カ月程度あればできあがると言われています。有効なのがスモールステップ法です」

 習慣を新しく作りたいときは、最初は小さく刻んでやり始める。例えば、毎日テキストの5行だけを読む。続けられそうなら1ページ、3ページと徐々に増やしていく。そして2カ月ほど過ぎれば、現状維持バイアスが逆に働き、「やらないと落ち着かない」という状態になるという。

「こうなるとしめたもの。習慣化されたわけです。また、すでに出来上がっている強い習慣、食事をするとか歯を磨くなどの習慣に、新しい習慣を『くっつけてしまう』のも有効です。たとえば、夕食後に歯を磨いたら、何も考えずに英会話の勉強10分をつけてみる。いつの間にか英語を勉強するのが当たり前になれば最高です」

 瀧さんは、英語の勉強に素晴らしい点がもう一つあると言う。

「やっただけ伸びるということ。英語は先天的な得意不得意はなく、『やったか、やらないか』による差だけだと思います」

 つまり、やった者勝ち。

「筋トレと似ていますね。筋肉も裏切らないけど、英語も裏切らない。ただ楽しく、やればいいんです」(瀧さん)

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2023年7月31日号より抜粋

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