投資をすると値上がり益など「利益」にばかり目が行きがちだが、実際は、手数料や税金といったコストがかかる。投資の損益は、この「コスト」まで計算に入れて確認することが大切だ。子どもの環境・経済教育研究室代表・泉美智子さん著、ファイナンシャルプランナー奥村彰太郎さん監修の『今さら聞けない投資の超基本』(朝日新聞出版刊)から、投資にかかる手数料と税金について学びたい。
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投資における利益には、株式などの価値が上がったときにそれを売ると得られる売却益(値上がり益)や配当などの運用益があります。
しかし忘れてはならないのが、投資には手数料や税金といった運用費用、つまりコストがかかることです。運用による受取額は、売却金額や分配金などからコストを差し引いた額となります。これは、どんな金融商品でも同じです。
利益だけでなく、投資金額とコストを差し引いたトータルでの損益を確認することが大切です。
儲かっているか、損をしているのかは、売却益や運用益から投資金額とコストを差し引いたトータルの金額で判断しましょう。
<投資信託の場合>取引時にかかる手数料と税金
手数料にはさまざまなものがあります。評価額が上がったからと利益を確定しようと売却したら、コストが高くついて思いのほか受取額が低くなってしまった、ということにならないように注意しましょう。投資信託における手数料の例を見て見ましょう。
【投資信託売買時の手数料】
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購入時手数料…販売会社に払う手数料で、申し込み価額の数パーセント。投資家が直接支払う。購入時手数料なしの会社や商品もある
- 売買委託手数料…金融商品の売買時に発生する手数料で、信託財産の中から間接的に支払う
- 信託財産留保額…信託財産を購入または解約するとき、手数料とは別に直接支払うお金。販売会社が受け取るのではなく、信託財産の中に含まれる
【投資信託運用時の費用】
- 運用管理費用(信託報酬) 信託財産を管理してもらっていることに対して日々支払う手数料
- 監査報酬 決算時などに監査にかかる手数料
※株式を売買する場合も、取引するごとに委託手数料がかかる。料金体系は売買する商品の種類や会社によってさまざま。