それで一件落着……と思ったら、一週間後くらいに、「まるお」はごはんを食べなくなり、水も飲まなくなったんです。水入れの前までいくのですが、器をただ見ているだけ。そのうち、寝たまま動けなくなってしまいました。
「まるおに何が起きてるの?」もう心配でたまりません。
病院に連れていって全身の検査をすると、「腎臓が年齢の割に少し悪いが、それが決定打でもなさそう」と先生は首をひねりました。
動けなくなってから、毎日、通院して点滴を受けました。お父さんがキャリーバッグを担ぐようにして、病院にせっせと通ってくれました。「最高の猫」がピンチに陥り、お父さんも気が気ではなかったようです。
結局、内臓的には大きな問題がないので、歯が抜けたあとの痛みや違和感で、食べられなくなり、それで体力が落ちた(動けなくなった)ようです。
1週間ほど点滴治療を終えると、ぱくぱくとごはんを食べ始め、寝たきりからも脱出し、「まるお」は元のように動けるようになりました。今は薬も不要ですが、2、3か月おきに腎臓の様子を診てもらうことになりました。
一時は「このままいなくなったら」と最悪の事態もよぎったので、本当によかったです。
■猫の背景はそれぞれ
お世話になった先生の見立てでは、「まるお」の年齢は「プラス5歳」くらい、つまり13歳くらいかもしれないとのことでした。ひょっとして、前の飼い主のおじいさんが拾ったりもらったりした時に「すでに子猫でなく大人の猫」だったら、ありえることです。
団体には3カ月いて、最初は緊張していたけど、すぐに慣れたそうです。スタッフに優しくされたのはもちろん、やはりおじいさんと心の交流があり、人を信じていたからなのでしょうね。おじいさんとの別れは悲しかったでしょうに、新たな環境によく順応してくれたな、と愛しくなります。
猫の背景はそれぞれ。そしてみんな、がんばりやさんです。