お父さんの膝の上が特等席(提供)
お父さんの膝の上が特等席(提供)

 1週間の予定だったトライアルをさらに1週間延ばし、様子を見ることにしました。

 正直、私は、一瞬「まるお」を(うちの子にするのを)諦めかけたのですが、愛護団体さんに相談しているうちに、「団子になったり、舐めあったりしないまでも、一緒にいられればいいかな」と、大らかに考えるようになりました。

 何よりもお父さんが「まるお」に愛情を寄せ、「この子を離したくない」という感じでしたし。お父さんと「まるお」を離したくないという思いも私の中にありました。

息子さん手作りの箱で一緒に遊ぶ「まるお」(下)と「もふたろう」(提供)
息子さん手作りの箱で一緒に遊ぶ「まるお」(下)と「もふたろう」(提供)

 そうこうしているうちに、「もふたろう」は警戒しながらも、「まるお」と何とか“すれ違える”ようになったのです。気がつけば「もふたろう」の“片目つぶり”も治り、一安心です。こうして2月下旬、「まるお」は正式にうちの子になりました。

 しかし、その後、今度は「まるお」に異変が起きたのです。

■「まるお」がまさかの寝たきりに

 6月、梅雨入りして少し肌寒い時期のこと。

 リビングのソファに血がついていたので、息子が鼻血でも出したのかなと思って聞くと「出てないよ」と言います。じゃあ猫が体に引っ掻き傷を作ったり、ケガでもしたりしたのかと思って見たのですが、大丈夫そうです。

 ところがその何日か後に、猫のごはんの容器に「歯」が落ちていたんです。一匹ずつ確認すると、「まるお」の右の犬歯がなくなっていました。

 びっくりして、抜けた歯とともに「まるお」を病院に連れていきました。歯は割れたようになっているので、どこかに突進してぶつけた可能性もあるということでした。「まるお」は確かにヤンチャな面もあり、「もふたろう」とばたばたと運動会をするし、高い所にも乗ります。だから自然に抜けたわけではない(事故的に抜けた)としても、納得できました。

 念のため抗生物質の薬を一週間飲ませることになりました。投薬ははじめ苦労しましたが粉にして大好きなおやつに混ぜると食べてくれました。

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最悪の事態もよぎった