ツイッターの「一見有益そうな人気アカウント」には裏の顔がある。その特徴はイラストのアイコン、名前は平仮名かカタカナ3~5文字のマネー系アカウントで「毎朝6時にお金の勉強」「一緒に学ぼう」「お金の図解」などを発信。彼らの真の目的とは。AERA 2023年7月24日号の記事を紹介する。
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朝6時。ツイッターでマネー系の“本日のとっておきの投稿”を次々と発信する人たちがいる。お互いにいいねを付けたうえで、リツイートし合う。その後、リプ(返信)の連発。
「太郎さん、この情報は本当に大事ですよね!」
「花子さん、ありがとうございます! 要チェックです」
近年、ツイッターを中心に増殖している一見有益そうなマネー系アカウント。なぜかお互いの名前を最初に呼び、異常なほど褒め合っている。一気にいいねやリツイートが増えた投稿は24時間以内に「1千以上のいいね」がつくことも珍しくない。その結果、何も知らないお金の初心者を中心に、フォロワーが激増する。助け合いながら、褒め合いながら──その様子は、さながら互助会のようだ。
日経平均株価が高値を連続で更新し、2024年からの新NISA導入を控えた今、投資デビューを目指す初心者が増えた。SNSでは、そんな人に向けて一見有益そうな投資情報を発信する“お金の先生的なインフルエンサー”が急増しているのだ。
■プロフ誘導の狙いは
“お金の先生”には、共通点がある。アイコンはイラスト。名前は平仮名やカタカナのみで短め(3~5文字)。人気投資ブロガーのりんりさんに、さらなる見分け方を聞いた。
「投稿パターンが似通っているので、見ればすぐわかります。最後まで結論を言わず語尾を『…』などで濁す。『答えはプロフ(プロフィール欄)に』と誘導するのは、ついでにフォローボタンを押させる狙いでしょう。1ツイート目は“有益そう”な情報を流すのですが、その下にぶら下げるツリー投稿にはアフィリエイトリンクが仕込まれている。彼らの狙いはフォロワーを増やし、いわゆる“マネー情弱”な人にアフィリエイトリンクを踏ませ、お金を稼ぐことです。だから頻繁にフォローやブックマークを促す」
りんりさんは、こういったアカウントは投資初心者にとって有害ですらあると語った。