――今後の裁判で、量刑を左右する争点はどこにあるのでしょうか?

猿之助容疑者の供述内容としては、両親に睡眠薬を渡しただけではなく、ビニール袋を顔にかけ、空気が漏れないようにビニール袋と顔を養生テープで貼りつけたと報道されています。自殺の“手助け”のなかでも積極的な行為として認定されれば、その悪質性が問われる可能性はあると思います。

 また、両親が自殺しようと心を固めるまでの過程において、猿之助容疑者がどこまで主導的な役割を果たしたのかもポイントです。今の段階では、「家族みんなで自殺しようと同意した」という前提になるわけですが、最初に誰が発案したのかというきっかけをふくむ、経緯やいきさつによっては、執行猶予つきとはいえ、懲役の年数などに影響を与える可能性はあるでしょう。

 猿之助容疑者が両親の自殺に対してどの程度積極的に働きかけたのかは、これからの裁判で明らかになりそうだ。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)