化粧品や美顔ローラーを愛用するビューティー男子、女子顔負けのかわいいポーズで自撮りするぶりっこ男子、今一番欲しいものが圧力鍋で、しっかり者の主婦のようなおかん男子──。「さとり世代」や「マイルドヤンキー」といった言葉を広めた、気鋭のマーケティングアナリストが次に注目するのは「女子力男子」だ。
 かつてはマッチョでエネルギッシュであることが男らしく、モテの対象でもあった。近年の男子は「草食男子」に代表されるように、どこか頼りなく、女子に押されがちに見える。
 本書では、それをマイナスの変化ではなく、「男子の女子化」という進化ととらえ、数多くのデータや、女子力が高い男性81人のインタビューなどから、「女子力男子」の姿を浮き彫りにしていく。冒頭のような「◯◯男子」には驚かされるが、「男らしくあるべき」といった既存の価値観にとらわれることなく、自分の好きなことを体現する彼らは自然体で、楽しそうだ。「女子力男子」は、性別や画一的な価値観から解き放たれた、多様化の象徴的存在なのかもしれない。

週刊朝日 2015年3月27日号

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