韓国の芸能界に嵐が吹き荒れている。発端は、かつて韓国最高のボーイズグループとうたわれたEXO(エクソ)が、メンバー3人の脱退で解散の危機にあるというニュースが流れたからだ。彼らの脱退の理由は、所属事務所、SMエンターテインメント(以下、SM)の体質に原因がある。実際、SMと所属アーティストの間のトラブルは、20年以上前から何回も起きているのだ。
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6月1日、EXOのメンバーであるチェン、ベッキョン、シウミンは、弁護士を通じて専属事務所であるSMとの契約を解約すると発表した。さらに、不当な取引を管理・監督する行政機関、公正取引委員会に事務所を提訴することも公表した。3人は、「事務所側がアーティストに不当な契約を強要した」などと抗議した。
彼らの話によると、法律で定められた契約は7年だが、SM側は20年近い期間を設定し、再契約を一方的に要求していたという。事務所に対し、これまでの芸能活動で受け取った金額の客観的な内訳を見せてほしい、と要請したが黙殺されたとし、これも専属契約を解約するきっかけになったと強調した。
一方、SM側は、彼らの主張は虚偽であると強く反発。会社は不当な強要などしておらず、チェン、ベッキョン、シウミンの3人は、好条件を提案した他の事務所に移籍するため、虚偽の内容でSM側を攻撃していると反論した。
SMは、かつて韓国で圧倒的1位を誇った芸能事務所だった。しかしYGエンターテインメントやJYPエンターテインメントに追いつかれ、今やBTSの事務所であるHYBEにも押されている。盛り返さなければならない時期であるにもかかわらず、看板ボーイズグループのメンバーから犯罪企業のように扱われ、契約解除を要求されている状況だ。
打撃は想像以上だった。SMの株価は急落し、専属契約解約を発表した6月1日だけでもSMの時価総額はなんと1906億ウォン(208億5700万円)も下落した。