■養成所で同期が認めた才能

 2000年にデビューしたダイアンの同期はオードリーやナイツ、キングコング、NONSTYLE、山里亮太、平成ノブシコブシ、ピース、とろサーモン久保田などで、歴戦の猛者たちがそろう。レベルの高い世代で、満を持して売れたコンビと言える。

 お笑い事務所の関係者はこう明かす。

「豊作の年に芸人となり、そこに埋もれず結果を出している時点で相当才能はあると断言できます。実際、M-1グランプリでは決勝に2回進出。そのときはまだ全国区で爪痕は残せませんでしたが、関西ではすでに高い知名度を獲得していました。そして、誰もが驚いた40歳過ぎての東京進出を果たし、ちゃんと売れ始めているのはすごいこと。月の7割ほど東京にいるため、津田さんは関西の自宅とは別に東京でもマンションを買おうとしているらしいですからね。売れっ子のレールに乗ったのは間違いない。先輩の千鳥や後輩のかまいたちからもイジられるダイアンですが、2組とも半端なく売れているので、視聴者に嫌な印象を与えないということもむしろ追い風になっているはずです」

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、近年のダイアンの快進撃についてこう述べる。

「ダイアンの2人の芸はデビュー当初から高いレベルに仕上がっていました。養成所の同期にはキングコング、なかやまきんに君、山里亮太さんなど精鋭がそろっていましたが、そんな同期の間でも『当時はダイアンが飛び抜けて面白かった』と語っている人がいるほど。ユースケさんの鋭いセンスと津田さんの力強いツッコミを生かした漫才は、最初から完成されていたのです。東京進出後のダイアンが注目されるようになったのは、津田さんのいじられキャラのおかげでしょう。津田さんは千鳥などの親しい先輩芸人だけではなく、後輩芸人や芸人以外の若いタレントからも親しみを持たれています。ランジャタイとのコラボネタを披露したり、渋谷凪咲さんから尊敬を込めてイジられたり、いろいろな形で津田さんの面白さが伝わったことで、ダイアンにも改めて光が当たるようになったのでしょう」

 遅咲きの実力コンビは、東京でのさらなるブレークが期待できそうだ。

(藤原三星)

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