鈴木おさむ
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 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、「一口ちょうだい」の是非について。

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 結婚して21年。ここにきて、妻と論争になっていることがあります。それは「一口ちょうだい」についてです。

 妻は昔から、人の食べ物を見ては「一口ちょうだい」と言います。僕はずっとそれが気になっていました。先日、息子の笑福が食べたいと言ったので、タピオカミルクティーを頼みました。そのタピオカミルクティーを見て、妻が笑福に「一口ちょうだい」と言ったのです。

 笑福は「え??」と言いました。すると妻が「一口くらいいいじゃん」と言って、笑福が「いいよ」と一口あげたのですが、僕が思わず「笑福がかわいそうじゃん」と言うと、妻は「一口くらいいいじゃん。ねえ笑福?」と返します。

 そろそろ妻に対する「一口ちょうだい」問題を放っておいてはダメだなと思い、ハッキリと口にしました。「俺は一口ちょうだいって嫌いなんだよ」と。

 その日から妻のリクエストにもきっぱり断るようにしました。僕が何かを食べようとして、妻が「一口ちょうだい」と言ってきても「嫌です」と。

 こんな僕に対して妻は「なんだよ! 小さい男だな」と文句の嵐です。

妻の大島美幸さん
妻の大島美幸さん

 こないだ僕が家でラーメンを作った時に、あきらかにあとで妻が一口リクエストをしてきそうだったので、「作ろうか?」と聞くと「大丈夫」と言ったのです。そして僕は自分の分だけ作り食べようとした時です。

 妻が「一口ちょうだい」と言ってきたので「だからさっき、作ろうか?って言ったじゃん」と返すと「一口だけ食べたいんだよ」と言ってきました。僕は断固拒否しました。

 妻が森三中のメンバーとこの話になり、3人揃って、僕のことを「小さい男だ」と結論づけたようですが。

 ネットを開いてみると、僕と同じように「一口ちょうだい」が嫌いな人が結構います。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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