小川さんのケースに戻ろう。卵子を凍結した後のパートナー探しについて聞いてみた。すると小川さんは、これまでになかったハードルを感じているとも言う。人生のパートナーを見つけるというよりも、“将来の子どもの父親探し”をしている感覚が強いこと。まず「子どもの父親としてどうか」という視点で相手を見てしまう自分がいるという。
「これは私にとって、卵子凍結の意外なデメリットと言えるかも。この先、良い出会いがあるように願うばかりです」
小川さんは、40代後半で子どもを持つことはないだろうと考え、卵子の保管期限は45歳にしているクリニックを選んだ。ここからの5年が正念場だ。
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次回は、パートナーと出会ったものの、自らの意思で凍結卵子を廃棄した女性のケースを紹介する。いったい、彼女にどんな心境の変化があったのか――。
(松岡かすみ)
>>【次回:なぜパートナーに出会えた管理職女性44歳は卵子を廃棄したのか「産まない」決断の裏側】※6月24日16時公開です。
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