広末さんが35歳のときに受けた、雑誌「FRaU」でのインタビューが、今回の騒動で改めて話題になっていた。彼女はそこで当時の、日本のメディアの“幼さ”をやんわりと批判し、「誰も傷つけずに」芸能界を辞めるために太ろうと考えたことなどを語っている。実際に15キロ増やしたそうだ。日本中の欲望の対象になりながら、誰の欲望を優先させるべきかが見えなくなり困惑していく過去の自身の様子が率直に語られていた。また最初の結婚が「できちゃった結婚」と騒がれたことも、「そうでもしなければ結婚できなかった」と表現していたことにも、言葉を失うような思いになる。極端だが、広末さんがおかれていた状況は眞子さんと同じだ。全ての行動を監視される中、結婚しか「逃げる」場所がなかった。相手はもしかしたら誰でもよく(ゴメンなさい)、自分を取り戻すために、自分を「どこか違う場所に今すぐ連れていってくれる結婚」が必要だったのかもしれない。広末さんの2度目の結婚相手となったキャンドル・ジュンさんにしても、もしかしたら彼女を芸能界とは全く別次元の場所に躊躇なく連れていってくれる相手だったのだろう。今回のキャンドル・ジュンさんの記者会見を見てそう思う。
正直、あの記者会見には困惑しか感じなかった。「徹子の部屋形式」と騒がれているが、記者を壇上にあげて対面で目を見つめ合う形は取りつつも、結局は自分から見えている物語を永遠に語る一人語りだ。聞いているうちに私も別次元に連れていかれそうな心もとなさを味わうような思いになる。
「自分は強いと思ってます。どんなことがあっても、こういうことも自分を強くしてくれるチャンスだって。だから楽しんでいこうぜって、こういうことも。まあそれこそ原発事故後の福島に通う車の中の1人で行き来する、運転するなかでも、この放射能が自分をさらに強くするんだって言い聞かせて、もっともっと強くなるってずっと思ってました」
いくらなんでも、自分に酔いすぎではないだろうか。