「R-1」王者の田津原理音(撮影/中西正男)
「R-1」王者の田津原理音(撮影/中西正男)
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 3月に行われたピン芸人ナンバーワン決定戦「R-1グランプリ2023」で優勝した田津原理音さん(30)。昨年の「M-1グランプリ」王者「ウエストランド」がネタの中で「『R-1』には夢がない」と言ったことで、思わぬ余波がもたらされもしましたが、本当に夢がないのか。その答えを出せる唯一の存在、現役王者の思いとは。

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「R-1」後、仕事量は20~30倍にはなっていると思います。それまで極端に仕事量が少なかったのもありますけど、量も、種類も、一気に増えました。

以前は月2~3回ほど舞台の出番があるくらいだったのが、今はバラエティー番組やロケに行かせてもらう機会がグッと増えました。

今までと脳みその使い方がガラッと変わったというか、逆に考えると、これまではネタのことだけを考えている日々でした。面白いネタを考えて、年一回の「R-1」を目指す。そこだけに力を集約させていました。

今は毎日のように新しいお仕事をさせてもらって、ほぼ経験値ゼロのことばかり。なので、そこでどう立ち回るのが良いのか。常にあれこれ脳みそをフル稼働させている状況です。

ネタは何回も繰り返して練り上げていくものですけど、バラエティーでの対応は全て一回限り。その都度「あそこでこう返しておけば……」みたいなことは思うんですけど、それと同じシチュエーションはもうないわけです。その場でどんどん点数がついていく。

そもそも、そういう仕事がしたくてこの世界に入ってきたわけですけど、実際にそうなるともちろん簡単なことではない。それを痛感しているところです。

ただ、これまで自分がネタで作ったフリップや小道具などを展示する作品展も今度やらせてもらいますし、今は「やりたい」と言ったらやらせてもらえる状況です。この時点で、もう僕としたらすごく夢はあるんですよ。ただ「『R-1』に夢はあるのか」という話が去年の「M-1」から期せずして出てきたことで、より一層、そこを意識するようになったのも事実です。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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