手紙を受け取った高木氏に改めて話を聞いた。

――(手紙は)真実だと思うか。

真実を語ってくれたと思いたいですね。

――彼なりの懺悔反省だった?

そう受け止めたいですね。ただ彼は罪の事件を認めたけど、被害者への贖罪の言葉や謝罪の言葉みたいなのは一切示してなかった。もし本当に自分がやっていたのであれば、被害者の方への言葉というのも書いてほしかった、もしくは言ってほしかったなという思いがあります。

――今井隼人とは何モノか?

すごくよくいる普通の青年だったような気がします。今井さんの人生の中には常に自分の承認欲求というのが紐づいていたんです。承認欲求って僕にもあるように、みんなが心の中で持っているモノで、人生の中で常につきまとうものだと思うんですね。

――ある意味では、誰でも彼のように陥る可能性があると?

そういうことです。

 一方で、今井は2014年の逮捕以来、拘束された生活に拘禁病のような症状が出ていたことも事実だという。面会の中で、幻覚が見える、と訴えていたことは一度や二度ではなく、ほとんど言葉を発さずに、面会時間が終わってしまうこともあった。

 だからこそ、この犯行の告白が真実かは結局分からない。ただ、手紙の最後にはこう記載されていた。死刑という現実に向き合っているのは間違いないようだ。

<これまで長い間 色々とご対応くださり、本当にありがとうございました。どうかくれぐれもお体には十分にお気を付け下さいませ。それではこのお手紙で最後となりますが何卒ご理解してくださりますととても幸いです。今までありがとうございました>

(構成/YouTube「日影のこえ」取材班=我妻憲一郎、小林健、高木瑞穂)

※敬称を一部省略しています。 

暮らしとモノ班 for promotion
「集中できる環境」整っていますか?子どもの勉強、テレワークにも役立つ環境づくりのコツ