「夢を叶えるためには、多少カッコ悪いと思えることでも、やれることはなんでもやっておくべき」と語る、鬼龍院翔さん。初の著書には自身の経験から得た売れるためのノウハウが詰まっている(撮影/今村拓馬)
「夢を叶えるためには、多少カッコ悪いと思えることでも、やれることはなんでもやっておくべき」と語る、鬼龍院翔さん。初の著書には自身の経験から得た売れるためのノウハウが詰まっている(撮影/今村拓馬)

「あと、自分を信用してないし、メンバーにも過度な期待をしてないんですよ。期待を裏切られると身が持たないし、ミュージシャンが音楽を諦めるのは、金銭的なことよりも心が折れることが原因になることが多いので。自分たちに対して“もともと売れるようなバンドじゃないからな”と思っていれば、思い通りにいかないことが起きても、“まあ、こんなもんか”と受け止められるはずなので」

「基本的にネガティブな人間ですけど、ライブにだけは熱くなれたんですよね」という鬼龍院。『超!簡単なステージ論』は、“好きなことを仕事にしたい”という目標を持つすべての人に有益ではないか……と彼にぶつけてみたところ、こんな答えが返ってきた。

「……すみません! それは否定させてください! 基本的には“ステージに上がる人”に向けて具体的なアドバイスを盛り込んでいるので、そうでない人にはいらない情報も入っていると思うんです。僕、ライブのお客さんに“よく見えなくて、残念でした”と言われると異常に落ち込んでしまうんですよ。それと同じで、この本を買った人に“想像してた内容と違った”と思われるのがイヤなので……」

過度な期待をされたくない、というのは、期待を裏切りたくないという強い思いの表れだろう。こんな言葉からも、鬼龍院がステージに上がる人として成功している理由がわかった気がする。

(森 朋之)

きりゅういん・しょう

鬼龍院翔、喜矢武豊、歌広場淳、樽美酒研二からなるヴィジュアル系エアーバンド、ゴールデンボンバーのボーカル。バンドの全楽曲の作詞・作曲を手掛けるほか、ライブの演出、ライブの脚本、ステージ構成も担当する。エアーバンドというコンセプトどおり、ライブでは鬼龍院翔以外は楽器を弾かず、踊ったり寸劇を演じたりするなど、さまざまなパフォーマンスを行うのが定番となっている。

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