治療は応急処置となりますが、どんな痛みも基本的には抑えることができます。むし歯による痛みであれば、たいていの場合、神経までむし歯が進行していることが多いので、歯ぐきに麻酔をし、痛くない状態にして、神経を取り除きます。歯周病による炎症はポケットの中に抗菌剤を入れたり、腫れがひどい場合は、切開して膿を取り除きます。くいしばりなど歯の接触が原因の場合は、かみ合わせの調整をおこなうこともあります。
実は休日診療で痛みと並び、意外に多いのが、入れ歯やかぶせもののトラブルです。
部分入れ歯を支えるために、歯に引っ掛けて固定する金具のクラスプが頬の粘膜にくい込んでしまったり、歯ぐきの代わりをするレジンの部分が割れてしまって、入れ歯が装着できなくなった患者さん。かぶせもののクラウンが取れて、歯が抜けたようになってしまった人もいました。
レジンやクラウンの問題では、痛みは生じていないものの、すぐに治してほしい事情をみなさん抱えていました。
「大事な用事があり、人に会わなければならないので、なんとかしてほしい」
といったケースです。
休日は婚活など、人生にかかわる大事な用事がある人も多いでしょう。
治療をしてほしい気持ちはよくわかります。もちろん、こうした問題にもきちんと対応できます。ただし、中には休日診療だけでは対処できないものもあるので、まずは受診の前に電話などで問い合わせをしてください。
なお、歯が痛いときに、「ドラッグストアで販売されている薬を利用してもいいか?」という質問がありますが、応急処置的に利用していただく分には構いません。
ただし、市販の痛み止めにも種類がたくさんあります。どれが適しているかは症状や痛みの強さによっても違うので、薬剤師に相談するといいでしょう(激しい歯の痛みはどの薬でも効かないことがあります)。
最後に、応急処置でよくなると、その後の歯科受診を先送りにしてしまう人もいるようですが、できるだけ早めに診療を受けてください。そうでないと、また、休日に痛い思いをすることになりかねません。