アラブ首長国連邦(UAE)のドバイから6月4日に帰国し、成田空港で暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑などで逮捕された前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)。関係者によると、「自主的に戻ってきたわけではない」という。今回の逮捕劇の舞台裏ではどんな動きがあったのか。
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成田空港に現れたガーシー容疑者は、水色のTシャツに白の短パン、サンダル姿。「国会に出席する」と言って黒くしていた髪は金髪になっていた。
ガーシー容疑者は捜査員に伴われ、集まった報道陣の前で時折、笑みを浮かべながら捜査車両に乗り込み、警視庁へと移送された。
著名人の私生活などを暴く「暴露系ユーチューバー」として100万人を超える登録者(2022年に停止)がいたガーシー容疑者は、2022年7月の参院選比例区にNHK党(現・政治家女子48党)から立候補し、28万票余りを獲得して当選した。
一方で、YouTubeで配信した動画が名誉毀損(きそん)にあたる疑いがあるとして、複数の俳優や経営者らが告訴状を警視庁に提出し、受理された。ガーシー容疑者は、任意での事情聴取を求められたが帰国せず、ドバイに滞在し続け、国会にも出席しない状況が続いた。
昨年11月、ドバイでAERAdotがガーシー容疑者に取材したときはこう答えていた。
「YouTubeで暴露していることは、当事者に聞いたり、自身が経験したりしてきちんとやっているので、訴えられようが自信はあります。だから、3月には帰国すると言っているのです」
今年1月には兵庫県内の実家など関係先について警視庁が家宅捜索し、関係者が帰国直後に逮捕されるなど、徐々に包囲網は狭まっていった。5月には捜査員もドバイに派遣されていた。
日本の外務省も3月に旅券返納命令を出し、4月12日付で失効。だがガーシー容疑者は、ドバイで10年(条件によっては5年)有効の「ゴールデンビザ」を取得したとSNSで話しており、滞在を続けていた。