リブランディングについて語る八木直久社長(撮影:岡田晃奈)
リブランディングについて語る八木直久社長(撮影:岡田晃奈)

――次々と新しい柄が展開されることが楽しく、驚きでもあります。

 ハンカチ1枚あたりに使える糸は最大で18色、日本人のデザイナーを起用し、季節やオケージョンを意識したデザイン性を大切にしています。

 フェイラーのシュニール織とは、本社のあるドイツ東部の小さな村で脈々と受け継がれてきた技術で、村の基幹産業にもなっています。一度平織りした布を裁断し、高速スピンをかけて綿糸の束にし、それを横糸にして再び織る。こうして2回織りすることで、柔らかな肌触り、優れた吸水性や速乾性が際立ち、色落ちしにくく丈夫な製品が出来上がります。

 この独自のクオリティーを大切にしたうえで、定番柄を大切に、一方で進化もさせる。春に人気のミモザ柄は、黄色と水色の鮮やかな配色が特徴的で、従来の落ち着いた花柄の雰囲気ともまた違うわけですが、幅広い年代層のファンがしっかりとついています。

ポップな柄が目を引く。人気の柄は発売早々に売り切れることも。(撮影:岡田晃奈)
ポップな柄が目を引く。人気の柄は発売早々に売り切れることも。(撮影:岡田晃奈)

――ディズニーやサンリオのキャラクター、アパレルブランドなど、他企業とコラボした柄も目を引きます。

 コラボすることで、デザインに幅が出るようになりました。そして、互いにブランドの強みがあるぶん、それぞれの企業の先には、まだ自分たちが出会えていないお客さまがいる。その接点を得ることも、コラボの意義だと考えています。

 大学とコラボし、学生さんたちと記念品を作ったこともあります。リサイクルを手掛ける企業に賛同し、余った端材からポーチを作ることもしています。

――フェイラーの柄の雑貨が女性誌の付録になったときは、雑誌が売り切れるほどの人気でした。

 出版社からのお声掛けで、機会をいただいたんです。ファンの方に響いただけでなく、付録を手にして、初めてフェイラーを知ったという声も多い。新たに出合ってもらえるきっかけになったと、手ごたえを感じています。そこから共感が生まれ、店舗に来ていただくなどご縁が深まるとよいなと思います。

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