同法人が年に1回行う「移住地希望ランキング」の2022年版(アンケート調査、有効回答数:6746人)によれば、移住先の希望地として最も相談された県は静岡県で、次に長野県、栃木県と続いた。静岡県は2020年から3年連続の1位となる。

 静岡県は東海道新幹線が通っており、東京駅までも1時間ほどで着く。名古屋駅にも54分とアクセスが良好でありながら、山と海に囲まれた自然豊かな県として人気があるのだという。

●鍵は「職」の有無

 ただ、移住には課題も伴う。なかでも仕事に関する不安が多いという。

 ふるさと回帰支援センターの来場者アンケート(2022年版、有効回答数6018人)によれば、移住先を選択するにあたっての条件についての質問に対し、(1)就労の場があること(58.5%)、(2)自然環境が良いこと(32.5%)、(3)住居があること(31.1%)と回答が続いた。

 働く先がちゃんと見つかるのか。ふるさと回帰支援センターでは、相談フロアにハローワークを設けている。

事前予約をすれば、相談員が納得いくまで時間を確保してくれている。もちろん、飛び込みでの来場も可能
事前予約をすれば、相談員が納得いくまで時間を確保してくれている。もちろん、飛び込みでの来場も可能

 地方へのテレワーク事業推進やサテライトオフィスの誘致などを手がける企業にも話が聞けた。イマクリエ(東京都港区)の代表取締役の鈴木信吾氏は、官民一体で地方創世を推し進めるべきだと話す。

「地方への移住が人気な一方で、若年層による都心部への人口流出が止まらないのが現状です。これまで100以上の自治体を見てきましたが、第一次、二次産業以外では若い人の働き口が少なかったです」

 同社は2011年からテレワーク事業を展開している。「テレワークのノウハウは十分にある」と鈴木氏。オンライン業務で対面式と変わらないコミュニケーションを取るにはどうすればいいかなど、企業が抱えるテレワーク業務の課題を、セミナーの開催やコンサルティングとして組織開発を手がけることで解決してきた。

 石川県羽咋市と手がけた「女性のテレワーク支援事業」で2023年1月に、テレワークを通して地方への活性化に取り組む「地方創世テレワークアワード」の地方創生担当大臣賞を受賞した。

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