
成虫は1日で3~6個のペースで、約3ヵ月産卵し続ける。
「飢餓に強く、3カ月くらいは吸血しなくても生きられます」(担当者)と、生命力、繁殖力からしても手ごわすぎる存在なのだ。
さらにやっかいなのが、トコジラミは「かくれんぼ」が上手だという点。明るい場所が苦手なため、日中はベッドや家具の隙間などの狭い場所に隠れていて、就寝後、部屋が暗くなるとはい出てきて寝ている住人の血を吸う。飛べないため蚊のような飛翔音もなく、目が覚めたらすでに刺されているため、被害に気づくのも難しい。
では、家にトコジラミがいるかどうかをどうやって確認すればいいのか。担当者はこう話す。
「刺された跡やかゆみがあったら、部屋に2ミリくらいの黒褐色の汚れがないか確認してみてください。それはトコジラミのふんで、天井や壁、カーテン、寝具付近で見つかるケースが多いです」
外から持ち込まないための注意も重要だ。担当者は、海外の宿泊先では室内の隙間などをよく確認し、部屋を明るくして荷造りすることをすすめる。帰宅後も、手荷物などをよくチェックすることが大切になる。
早期発見、早期駆除が重要のため、トコジラミの発生が疑われたら市販の有効成分を含んだ駆除剤を活用するとともに、吸血されないように肌に塗る虫よけ剤などを使うのも手だが、前述のように殺虫剤に耐性があるスーパートコジラミもいるため、新しい薬剤を使用したくん煙タイプの駆除剤がおすすめだという。
そして、そもそも繁殖力が極めて強い害虫であることもあり、専門の駆除業者への依頼を推奨する自治体も複数ある。
厄介すぎる“お客さん”が自宅に住み着いていないか。心当たりが少しでもあったら、特に梅雨の時期から夏にかけては念入りにチェックしてみる必要がありそうだ。
(AERA dot.國府田英之)