トコジラミに血を吸われると赤っぽい発疹ができる。写真はイメージ(GettyImages)
トコジラミに血を吸われると赤っぽい発疹ができる。写真はイメージ(GettyImages)
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 最近、トコジラミ(別名・南京虫)に刺されたことによって、肌が赤く腫れあがった写真をSNSに投稿する人が目立っている。血を吸われると強烈なかゆみを引き起こし、家に居ついてしまうと駆除が難しいとされるこの害虫。ついには薬剤に耐性を持つ個体まで確認されているようだが、被害を防ぐにはどうすれば良いのか。虫ケア用品大手のアース製薬に対策を聞いた。

【閲覧注意】猛烈なかゆみを発生させるトコジラミ

*  *  *

「トコジラミ捕獲、勘弁して。もうしんどい」

「激かゆ」

「トコジラミが怖すぎて、どうしていいか分からなくなったので誰か助けてください」

 ここ最近、SNSでトコジラミによる被害への悲痛な声や、対策方法に関する投稿が相次いでいる。

 自治体への相談件数も増加している。たとえば東京都では2005年の相談は26件で08年までは2桁で推移していたが、09年以降は3桁に急増。その後、300件を超す年も出始め、19年には458件にまで増えた。

 戦後の日本で徹底的な駆除が行われ、1970年代には「撲滅された」とも言われていたトコジラミだが、インバウンド需要により増えた訪日客が持ち込んでしまったり、日本人が海外旅行先から、手荷物に入るなどしたトコジラミを持ち帰ってしまったことが原因ではないかと指摘されている。

 さらに最近では、ピレスロイド系と呼ぶ従来は効き目があった薬剤に耐性を持つ、通称「スーパートコジラミ」の存在が報告されており、駆除がより難しくなっているようだ。

 そもそも、トコジラミとはどんな害虫なのか。

 アース製薬の担当者によると、トコジラミは「シラミ」ではなく「カメムシ」の仲間だそう。体長は4~5ミリ前後で、幼虫も成虫も人やペットの血を吸って生きる。

 まずやっかいなのが、その強烈なかゆみだ。

 刺された人の体質により個人差はあるが、「吸血されると赤色っぽい発疹ができて、唾液によるアレルギー反応で激しいかゆみを引き起こす場合があります」(担当者)

 主な発生時期は6~9月だが、暖房が効いた日本の家屋では季節を問わず生息することが可能で、冬季の出現例も珍しくないという。

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