二子新地(川崎市高津区)の河川敷に設けられた「多摩川緑地バーベキュー広場」
二子新地(川崎市高津区)の河川敷に設けられた「多摩川緑地バーベキュー広場」

 実際に歩いてみることにした。

■バーベキューの社会実験

 5月下旬の日曜日。絶好のバーベキュー日和である。河川敷を歩いていると、散策路が整備された堤防の上では大勢のランナーやサイクリングを楽しむ人の姿が見られた。国交省の河川巡視員にも出会った。

 河川敷のあちこちにあったのは、自治体などが管理するバーベキュー場だ。以前に利用者が集中し、迷惑行為が問題になった丸子橋の近くでは、川崎市が社会実験としてバーベキュー場を設けていた。

「民間事業者の協力を得て、有料でバーベキューができる場所を展開しています。今年度はゴールデンウィークから土日を中心に、来年3月末まで社会実験を行う予定です」(川崎市みどりの事業調整課)

 芝生の広場には、たくさんのテントが張られていた。放置されたごみはなく、きちんとマナーが守られているように感じた。

 丸子橋と同様にバーベキュー利用者のマナーが問題になった二子橋の周辺も、川崎市が「多摩川河川敷バーベキュー適正利用計画」を策定。現在は前述の「多摩川緑地バーベキュー広場」として指定管理業者が管理している。

 同市みどり・多摩川協働推進課は「24時間態勢で見回りなどもしています。特段、問題報告は上がっておりません」という。

 有料のバーベキュー場はフェンスで仕切られ、施設の中には黒いテントがぎっしりと並んでいる。大勢の客がバーベキューコンロを囲み、にぎわっていた。

 また、登戸駅に近い小田急線の鉄橋の川崎市側にも、バーベキュー場が設けられていた。

「ここでは、川崎市と小田急電鉄が包括連携協定を結んで、社会実験を行っています。こうした試みをするなかで、バーベキューごみの散乱といった問題は、少し改善してきている印象はあります」(川崎市みどりの事業調整課)

■マナーを守れば

 バーベキューができる場所が整備されている一方、禁止の呼びかけもあちこちで見かけた。

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マナーが悪化すれば規制強化も