e-sportsの世界で働くための4つの専攻がある
e-sportsの世界で働くための4つの専攻がある

 日本初となるプロゲーマーを養成する学校が誕生する。

 東京アニメ・声優専門学校(東京都江戸川区)は、2月17日、プロのゲーマーを養成するコース「e-sports プロフェッショナルゲーマーワールド」を2016年4月から新設することを発表した。

 これまでゲーム関係の専門学校といえば、ゲームデザイナーやプログラマーといった、ゲームを制作する人材を養成する学校だった。だが、今回のケースは、ゲームをプレイすることをなりわいとする人材を育てる取り組みだ。

 専攻は4つのコースに分かれている。「e-sports 総合プロゲーマー専攻」、「e-sports ビジネス&宣伝プロモーション専攻」、「e-sports ゲーム実況・MC&声優専攻」、「e-sports イベント&テクニカルスタッフ専攻」がある。

 それぞれの専攻名についている「e-sports」という言葉は、「Electronic sports」の略語。コンピューターゲームをスポーツのジャンルとして捉える呼び方だ。将棋や囲碁はよく「頭脳スポーツ」と呼ばれるが、これがコンピューターゲームにも当てはめたものだといえる。

どんな内容を教えるのか、詳しくみていこう。まず、「e-sports 総合プロゲーマー専攻」は、さまざまなゲームの大会に出場できる、まさしくプロゲーマーを育成するコースだ。プロゲーマーとしてのモノの考え方や、ゲーム内での戦略や戦術を学ぶことができる。

 「e-sports ビジネス&宣伝プロモーション専攻」は、ゲーム業界や、e-sports業界で就職や起業を目指す人のためのコース。こうしたビジネスに関する基礎知識やマーケティングについて勉強ができる。

 一方、「e-sports ゲーム実況・MC&声優専攻」は、プロのゲーム大会で活躍できるゲーム実況者やMCを育成するコースだ。たとえば、司会や実況に求められる、言葉で何かを伝えるという知識や技術を習得できるのだ。

 このほか、「e-sports イベント&テクニカルスタッフ専攻」は、e-sportsの大会を企画して運営する人材を養成する専攻で、イベント運営に関するノウハウを学ぶことが可能だ。

 このように、単にプロのゲーマーを育てるだけでなく、「e-sports」という業種全般で活躍できる人材を育成する目的があるのだ。

 これらの教育には、国内で数多くの「e-sports」の大会や、ゲームのプロリーグを運営する、株式会社SANKOが協力している。この会社は、国内に「e-sports」文化を根付かせようと事業を展開しており、今回のコースの新設もこの取り組みの一環だ。同社のPR担当は、新設されたコースの狙いについて、こうコメントを出している。

「諸外国ではe-sportsを取り入れた教育は徐々に増えておりますが、日本ではまだ前例がない状況です。今回の開講をきっかけに、各チームや学校関係者やスポンサーといったeスポーツ関係者と人を育てる“教育”という点においてさまざまな意見交換をしながらカリキュラム作りに関わっていきたいと考えています」

 SANKOによると、e-sportsに関するコースの新設をしたいと、他の専門学校が申し出れば、支援を検討する。また、学生の就職活動も手助けして、就職先の紹介や自社内での就業機会を提供する方針だという。

 日本ではe-sportsは始まったばかり。米国や韓国に比べてもゲームの大会や、その賞金額も少ない。今回のコース開設で、国内でe-sportsが本格的に普及するのか、注目したい。

(ライター・河嶌太郎)