3年に及ぶ空白期間を経て、職場で接待が復活したり、親族の法事が計画されたりしている人は少なくないだろう。そんなとき、悩ましいのが手みやげだ。和文化研究家で、All About「 暮らしの歳時記」ガイドを務める三浦康子さんは、発売されたばかりのムック「[最新版]東京 手みやげと贈り物」の中で、手みやげ選びのポイントに「季節」を挙げている。
「日本の四季を感じさせる贈り物は、目上の人や少しかしこまった場面にもぴったりのアイテム。旬の食材や花をテーマにしたもの、日本の年中行事にまつわるものをチョイスすれば、相手に手渡すときの会話が弾むこと間違いなしです」と三浦さんは話す。肝要なのは、「少しだけ季節を先取りする」こと。ムックから、そのノウハウを紹介したい。
山笑う春/3~5月
花が咲き、鳥は歌い、草木が芽吹くこの時季は、雛祭り、お花見、入学、端午の節句など、華やかで夢が広がる行事が続く。桜ひとつとっても、桜の花や桜の葉の塩漬けを用いた菓子や、桜をモチーフにしたスイーツがたくさんあり、選ぶのも楽しい。
例えば、le pépin の「フルール ドゥ ボンボン ブーケ」(6 本入り648 円)は、自家製ナッツペーストを抹茶、ミルク、ストロベリーのチョコでコーティングした、ロリポップ型チョコレート。花束のような包装のこのお菓子を、花々が咲き始めるタイミングで訪れる卒業や入学のお祝いに添えるのはどうだろう。向島長命寺桜もちの「桜もち」(1 個250 円)は、隅田川沿いの名物として300年以上も受け継がれ続ける春の風物詩。北海道産小豆餡を薄皮餅で挟み、塩漬けにしたオオシマザクラの葉で包んでいる。桜の花が散る前に届けたい贈り物だ。