杉浦康明さんと杉浦英恵さん(撮影/大野洋介)
杉浦康明さんと杉浦英恵さん(撮影/大野洋介)

 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2023年7月10日号では、特別養護老人ホームでケアマネージャーを務める杉浦康明さん、音楽講師・音楽療法士の杉浦英恵さん夫婦について取り上げました。

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妻37歳、夫39歳で結婚。長男・奏太くん(7)と長女・恵鈴ちゃん(3)と4人家族。

【出会いは?】SNSで妻がプロフィルに音楽療法士と載せていたところ、仕事で音楽療法士を探していた夫からメッセージが届く。職場見学に行き、場の雰囲気の良さにひかれて仕事を引き受けた。

【結婚までの道のりは?】仕事仲間で毎週スノーボードに行くようになり、移動の車内で話をするうちに打ち解ける。やがて互いに恋心を抱き、1年半の交際期間を経て結婚。

【家事や家計の分担は?】料理など家の中は妻、庭仕事など外は夫。子どもの世話は、子自身がその時々で適任な方を呼ぶ。その結果、妻が生活まわりで、夫が遊び担当に。家計は一緒で妻が管理。

夫 杉浦康明[49]特別養護老人ホームみたか紫水園 相談支援グループ ケアマネージャー

すぎうら・やすあき◆1974年、東京都生まれ。旅人を経て、専門学校に通い、31歳で柔道整復師の資格を取得。病院のリハビリテーション科で勤務後、特別養護老人ホームに転職し、機能訓練指導員として働く。2020年からは同施設でケアマネージャーを務める

 音楽療法は、高齢者が楽しみにするプログラムの一つ。職場で担当者が不在となった時、なくなるのはさびしいと思い音楽療法士を探していたら、はなに出会えました。

 僕は以前、医療現場で働き、体の痛みを治すのが自分の役割と思っていました。転職し、人間が心豊かに過ごすには、治療の先の音楽療法などアクティビティーが必要と気づいた頃でもあったんです。

 職場で、はなの高齢者への向き合い方から優しさや忍耐強さを感じ、人間性にひかれました。公私ともに、壁をつくらず相手を理解しようとする姿勢も素晴らしいなと。僕は壁をつくる部分があり、補い合えると思ったので、この人と結婚したいと思いました。

 これまで女性は自分が守ってあげないとと思っていたけど、はなは逆で頼りになる人。

 離婚を経たからか精神的に強くて、ポジティブ。仕事の悩みも、互いの人生観も何でも話せるし、いつも助けられています。そうやって僕は、手のひらで転がされているのかもしれないね。

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