AERA 2023年7月3日号より
AERA 2023年7月3日号より

 日本小児科学会は、生後6カ月~17歳のすべての小児に、初回シリーズと追加接種を含めたワクチン接種を推奨するとしている。

 子どもの間では最近、ヘルパンギーナ(夏風邪)やRSウイルス感染症、感染性胃腸炎なども流行している。とくに目立つのが夏風邪だ。通常は6月下旬以降に流行するのが、定点把握では今年は5月中旬ごろから増え始め、第23週には定点当たりの報告数が3人と、同時期では過去11年間で最多だった。過去3年間は新型コロナウイルスの感染対策のために流行せず、免疫のある子どもが少ないところに、5類に移行して感染対策が緩和され、前倒しで流行が始まったとみられる。

 新型コロナウイルスが定着しつつある現在、どんな点に注意して暮らせばいいのだろうか。

「重症化リスクが高い人は、ワクチン接種やマスク着用も含めて、感染対策をより慎重に行ってください。また、重症化リスクの高低に関係なく、手洗いや咳エチケットは重要な感染対策です。さらにこれからの季節は、熱中症にも注意してください。熱中症は、感染して重症化した際の症状と区別がつきにくいこともあります」(藤田医科大学感染症科・本田仁教授)

(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

AERA 2023年7月3日号より抜粋

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