横浜市の丘陵地にある山手学院も、青山学院や明治、立教への合格者数をぐんと伸ばしている。創立当初からグローバル教育に力を入れ、近年は国公立への進学者数も増えた。
「リーダーとして活躍する人になるには、いろんな発想をしていかなければいけない。持論ですが、人の発想力は2のn乗に比例するという感覚があります。そのnは知識の量なんです」
そう説明するのは、時乗洋昭校長だ。nの幅を広くするために、文系や理系、ひいては芸術まで学べる環境のほうがいいと考えたという。授業のほかにも、土曜講座として韓国語やタイ料理を学ぶ時間もある。保護者が参加できるものもあり、親と子ども、学校とがコミュニケーションをとる場にもなっている。
「生徒の自発性を重視するのは、大学受験でも同じです」
時乗校長がそう話すように、生徒が行きたいところを自発的に目指せる環境が、実績へとつながった。このnの考え方と受け止め方こそ、30年間での成長力につながっているに違いない。(編集部・福井しほ)
※AERA 2023年6月5日号より抜粋