間もなく梅雨の時期を迎える。心身ともに健康に気をつけたい(撮影/写真映像部・馬場岳人)
間もなく梅雨の時期を迎える。心身ともに健康に気をつけたい(撮影/写真映像部・馬場岳人)
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 5月、6月は心の調子を崩しがちだ。環境の変化だけでなく、気候も影響する。精神的な負担を長引かせないために、できることは。専門家に聞いた。AERA 2023年5月29日号より紹介する。

【図】「コロナ後」特有のストレスのサインがこちら

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「ゴールデンウィーク明けは本当に会社に行きたくなかった。パソコンを開くのが怖かった」

 東京都内の会社員の男性(59)はこの春、会社が新たな試みとして導入したサブスクリプション(情報の有料購読)の担当になった。苦手なデジタル領域の仕事で戸惑いがあったことに加え、利用者からの問い合わせは膨大。精神的に大きな負担になっているという。

「やっと連休でひと息つけたのですが、連休明けにはまた問い合わせの山。ストレスで吐きそうでした。鬱々としています」

 4月は入学・入社や異動など環境の変化が起きる時期。しかし5月の連休明けあたりから精神的につらくなるケースも多い。一般的に「5月病」とも言われるものだ。

 企業カウンセリングなどを手掛けるベリテワークスの代表で、心理カウンセラーの浅賀桃子さんはこう話す。

「新しい環境に、ストレスを感じつつも一生懸命に適応しようとするのだけれども、ゴールデンウィークにいったん休めることの反動もあり、ストレスに対処できなくなり、適応障害などになってしまうんです」

 最近ではこの不調が長引き、「6月病」へと移行するケースもあると言われている。

「5月病のうちに対処できればまだいいのですが、6月頃までその状態を引っ張ってしまうと、『うつ病』の入り口までいってしまう危険性もあります」

 浅賀さんは、「会社側がメンタルヘルスへの理解を深めることも大事だ」と話す。

「管理職が部下たちの不調の兆しに気づけるかどうか。そのための研修を設けたり、『何かあれば気軽に相談を』と1on1(上司と部下が行う一対一の面談)の機会を定期的に設けたりできている会社は、早期発見でき、うつ病にまでならなくて済んでいる印象があります」

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