「枠の復活」を図解するとこうなる(金融庁、東証取材により編集部作成)
「枠の復活」を図解するとこうなる(金融庁、東証取材により編集部作成)

●新しいNISAの金融機関の変更は何回まで?

「年単位で変更可能。『年1回まで』という書き方は誤解を招くので注意したい」(金融庁)

★毎月つみたてなどで1月分の買い付けが実行されたら、その年は金融機関を変えられない。よって「年単位」という表現が正しい。

●現行のNISAはA証券だが、新しいNISAはB証券を利用したい。現行のNISA口座の投資信託などをB証券に移せる?

「現行のNISAと新しいNISAは別枠で走らせるため、移すことはできない。

 現行のNISA口座の金融商品はA証券で引き続き保有することになる」(金融庁)

★これはNISA口座特有の話。NISA口座ではなく、特定口座で買っていた金融商品を別の金融機関に移すことはできる。

 ただし移す際に移管手数料がかかる場合が大半。現行のNISAで買った金融商品を売却せずに持ち続けたら、非課税保有期間が終わった時点で特定口座に払い出される。

 その後、移管手数料を払って他の金融機関に移すことは可能だ。

●新しいNISAがはじまってから、金融機関を3回変更したとする。この場合、自分の現在の非課税保有限度額はどうなる?

「複数の金融機関で買った金融商品の取得額を合計してカウントする。

 金融機関各社から集めたデータが、国税庁側でいったん『名寄せ』される」(金融庁)

★それぞれの金融機関で非課税保有限度額の上限1800万円まで買えるわけでなはい。

●各個人の非課税保有限度額を管理する際、どうやって名寄せする? まさか手作業?

「口座開設の際、金融機関に提出しているマイナンバーでひも付けて合算する」(金融庁)

★これまで「証券会社に出すマイナンバーは何に使われているのだろう?」と思っていたが、ここで役立つわけだ。

●新しいNISAのつみたて投資枠と成長投資枠は、同じ金融機関を利用しなければならない?

「同じ年は、同じ金融機関のNISA口座で投資をする。たとえば2024年のつみたて投資枠はA証券、成長投資枠はB証券といったことはできない」(金融庁)

●新しいNISAに関する正確な情報は、どこを見ればいい?

「金融庁の『新しいNISA』に関するウェブサイトを御覧いただきたい。今後、少しずつ更新していく予定だ」(金融庁)

★ネット上では金融庁や各協会に直接取材して書かれた一次情報が少ない。

 金融庁の「新しいNISA」のウェブサイトのほか、日本証券業協会も新しいNISAに関する情報を出した。

 まだまだ「正しい情報」は少ないが、こまめにチェックしてみよう。

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2023春夏号』から抜粋

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