撮影/写真映像部・高野楓菜
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 通常、取材はほぼ受けない俳優・岸部一徳さんのインタビューが、本誌休刊のタイミングで実現。3回連載の第1回の今回は、ザ・タイガース前史からPYGまで、本誌編集長がお話を伺いました。

【写真】ザ・タイガースとしてデビュー直後の岸部さん

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 岸部の日課に最近加わったのが、ベースの練習だ。

「ここ10年、ほとんど触っていなかったからねえ。2曲続けて弾いたりすると指が疲れてくるんで……。6月までには間に合わせないとね」

 2018年10月。興行主との集客に関する契約トラブルで中止となった沢田研二のライブから5年。6月に改めて、さいたまスーパーアリーナで開催される沢田の“バースデーライブ”に岸部はゲスト出演する。

「去年会った時に沢田から話があってね。あの時ドタキャンだと騒動になったでしょう? だから『いろんなこと言われたんで、きちっとリベンジしたい』と。それで『ああ、いいよ』って」

 岸部と同じくザ・タイガースの元メンバー、森本太郎と瞳みのるもステージに立つ。13年のザ・タイガース復活ツアーには参加した加橋かつみは、今回出演しないという。

 ザ・タイガース。1960年代のグループサウンズ(GS)ブームを象徴する伝説のバンドは、今年デビューから57年目を迎えた。

 岸部とメンバーとの出会いは中学校時代にまで遡る。森本と瞳とは京都市立北野中学の同級生、それぞれ別の高校に進学したのち、瞳が連れてきて知り合ったのが加橋だ。

「森本とは一番古いし、まあ楽だよね。瞳も中学からいつも一緒だった。大っきいのと小っちゃいのの二人で」

 牛乳配達のバイトを瞳に紹介してもらったこともあった。

 沢田は岸部、森本、瞳の2学年下になる。

「あのころの一つ二つって大きいよね。沢田は本当におとなしくて。年下の遠慮もあったのかな。いまは全然ないけどね(笑)。沢田と一緒にやりだしたのが、運が良かったと思う。彼がいなかったら僕らは京都止まりだったんじゃないかな」

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