料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「筍(たけのこ)と鶏ひき肉のあんかけ煮」。
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筍がおいしい季節です。炊き込みご飯や若竹煮など食べ方は色々ありますが、鶏ひき肉と一緒にとろみを付けて煮物にしました。生を使っても構いませんが、アク取りの手間がいらない水煮を使うと時間が短縮できますよ。
筍は切り方がポイント。根元は輪切りにして半月切りに、穂先は縦に放射状に切り分けると、美しく盛り付けることができます。
まずは鶏のひき肉をサラダ油で炒め、全体が白っぽくなったら筍を加えてさっと炒めます。そして水と調味料を加えたら中火でいったん煮立たせましょう。この時、アクが出たら取り除きます。
その後は鍋にフタをして、15分ほど弱火で煮ます。煮汁が半分くらいになったらできあがりのサイン。仕上げに水溶き片栗粉を加えてとろみを付けたら完成です。
ちょうどタイミング良く友人から木の芽をいただいたので、たっぷり添えて盛り付けました。初夏を感じるさわやかな香りが食欲をそそります。いまの時期だけの旬の味を逃さず味わいましょう。
(構成/沖村かなみ)
■筍と鶏ひき肉のあんかけ煮
【材料】(2人分) 筍の水煮250g、鶏モモ肉のひき肉150g、A(水150ml、酒50ml、薄口醤油大さじ2、砂糖小さじ1)、水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1:水大さじ1)、サラダ油大さじ1、木の芽適量
【作り方】(1)筍は根元を厚さ1cmの半月切りに、穂先は縦に3等分に切る。(2)鍋でサラダ油を熱し、鶏ひき肉を炒め、全体が炒まったら筍を加えて炒める。(3)(2)にAを加えて中火にかけ、煮立ったらアクを取り、弱火にして鍋にフタをして15分ほど煮る。(4)煮汁が半分ほど煮詰まったら、水溶き片栗粉を回しかけて混ぜ合わせ、とろみを付ける。(5)器に盛り付け、木の芽をたっぷりと添える。
【ワンポイントアドバイス】筍は硬い根元は輪切りにして半分に、やわらかい穂先は放射状に縦に切り分ける。
水と調味料を加えたら中火で煮立たせ、その後は弱火でフタをして15分ほど煮る。
※週刊朝日 2023年5月19日号