「TUESDAY’S LOVE」の作詞をした河北さんは、本職は作詞家ではなく、アートディレクター。三和酒類焼酎「いいちこ」の商品企画からCMまでのあらゆるアートディレクションを担当し、このCMで流れる楽曲を歌うビリー・バンバンの二人とは旧知の仲であった。
こうして作詞・作曲が決まった。
初めに河北さんが歌詞を書き、それに菅原さんが曲をつけた。
「週刊朝日は火曜発売、週の初めだから軽快で爽やかな曲にしようと決めました。サビの♪チューズデーズ~ラ~ブ~というフレーズがすぐに思い浮かび、曲はすぐにできました。僕たちの楽曲は静かなものが多いので、その中では異色かもしれないですね」
と菅原さんはサビのフレーズを歌ってくれた。
「TUESDAY’S LOVE」が発表される前年の97年12月、編集部の忘年会にビリー・バンバンの二人も招待された。
「この歌を何回も歌いましたよ。編集部の人もノリノリでした」
編集部でかつてこれほどまで盛り上がった「TUESDAY’S LOVE」だが、現在はほとんど知られていない。部員が入れ替わったこともあるが、それだけが理由ではないという。
「実は『TUESDAY’S LOVE』のCDは一部にしか流通しなかったのです」と菅原さん。一般には販売しなかったという。だが、ビリー・バンバンのコンサートではこの歌を披露した。
「歌うとき、『週刊朝日のテーマソングです』と観客に伝えました。すると、『何? 週刊朝日のテーマソングって?』と観客は不思議そうな顔をしてました(笑)」
観客は、CDに収録されていない歌を聴いて、一瞬、戸惑いもあったようだが、すぐに手拍子をするようになり、曲に合わせてノッていたそうだ。
「レコード会社には問い合わせが数多くあったようですね。中にはCDを発売してくれという要望もありました。本屋さんで買えますか?とか、CDショップで買えますか?とかね」