週刊朝日編集部に足を運んでくれた菅原進さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
週刊朝日編集部に足を運んでくれた菅原進さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
この記事の写真をすべて見る

 25年前、週刊朝日編集部はあるチャレンジを試みた。人気アーティストにテーマソングをお願いしたのだ。今ではあまり知られていない事実について、当事者や当時を知る部員に話を聞いた。

【写真】ビリー・バンバンも歌った週刊朝日のテーマソング「TUESDAY’S LOVE」のCDジャケット

*  *  *

 週刊朝日のテーマソングがある!?

 休刊企画に頭を悩ませているとき、そんな情報が編集部にもたらされた。しかし、ネットで検索しても、テーマソングに関する情報は見当たらない。企画として成立しないか……。

 そんなある日、一人の古参の部員が「これですか」とシングルCDを差し出してきた。今ではほとんど目にしない縦長のジャケットの8センチCD。真っ赤なジャケットの中心にリンゴの写真が写り、「TUESDAY’S LOVE」とタイトルがある。よく見ると左の上に小さく「週刊朝日テーマソング」と書かれているではないか! 確かにテーマソングは存在したのだ。

 歌は菅原孝と菅原進の兄弟デュオ、ビリー・バンバン。この歌が発表されたのは1998年1月21日。作詞が河北秀也、作曲が菅原進とある。

 いったい何のために?

 真相を確かめるべく歌と作曲を担当したビリー・バンバンの菅原進さんに取材をお願いすると、快諾してくれ、なんとわざわざ編集部まで来てくれた。

 菅原さんは「もう25年前だから、四半世紀前の歌を取り上げてくれるのは本当にうれしいですね」と、ほほ笑みながら、「TUESDAY’S LOVE」ができるまでの経緯を話してくれた。

 当時の森啓次郎編集長からビリー・バンバンが所属する事務所にテーマソングをつくるので協力してほしいと連絡があったという。菅原さんはなんで週刊誌なのにCDをつくるんだろうなあ(笑)と思ったと話す。

 しかし、懇意にしていた週刊朝日からの依頼ならと引き受けることにした。

■軽快で爽やかに 曲はすぐに完成

 その理由は、先に依頼を引き受けていた作詞の河北秀也さんから、曲と歌はビリー・バンバンでいかがだろうかという推薦があったからだ。

次のページ