実績はないものの、ポテンシャルの高さが魅力なのが尾形崇斗だ。学法石川ではスピードはありながらも完成度が低かったこともあって、2017年の育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。プロ入り後には三軍戦でアピールを続け、3年目の2020年に支配下登録を勝ち取った。しかしその後は層の厚いリリーフ陣を誇るチーム事情もあって一軍登板は3年間で18試合にとどまっている。

 今年も開幕から二軍暮らしが長き、6月11日にようやく2度目の一軍昇格を果たしたが、丸佳浩にホームランを浴びるなど1回1/3を投げて3失点で負け投手となった。ただそれでもストレートはコンスタントに150キロを超えるスピードがあり、球威は十分に一軍のレベルにある。二軍では抑えを任せられており、6セーブをマークして防御率は0点台で、イニング数を上回る奪三振も記録している。二軍に置いておくのがもったいないと感じている他球団の関係者も多いはずだ。

 もう1人二軍にいる投手で可能性を感じるのが椎野新だ。尾形と同じ2017年にドラフト4位でソフトバンクに入団。2年目には36試合に登板し、5勝6ホールドをマークしている。しかしそれ以降の3年間では1勝、2ホールドと結果を残すことができず、今シーズンも開幕直前に二軍降格となり、一軍昇格を果たすことができていない。しかし二軍ではここまで防御率1点台をマークし、19回で22奪三振と結果を残している。196センチメートルという日本人離れした長身は大きな魅力で、スピードも申し分ないだけに、環境が変われば大化けすることも十分に考えられるだろう。

 そして何よりももったいない状況になっているのが現役ドラフト日本ハムから加入した古川侑利だ。昨年はキャリア最多となる34試合に登板するなど中継ぎの一角として活躍。しかし今年は開幕から一軍に帯同しながらもなかなか出番がなく、8試合に登板して6月1日に登録抹消となった。

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今後も他球団で再生する選手が出てくる?