今回のテーマは「父」だけど、改めて考えてみると、今までメディアで父親のことを深く紹介することって、あまりなかったような気がする。親子企画のようなもので、バラエティー番組にVTRなどで登場したことも何度かあるけど、どちらかといえば、母親のほうがピックアップされるケースが多かったからね。

 SNSで散々炎上しまくってきたボクの父親だから、もしかすると、ものすごくいいかげんな人なんじゃないかって思うかもしれないけど、とんでもない。父親は、ボクと違って、びっくりするほど、真面目な人なんだ。とてもきちょうめんだし、どんな場面でも慌てることなく、冷静に対応する。ほんと頼りがいのある人。ボクのキャラクターから連想すると、意外な人物像でしょ(笑)。

 父親は、とにかく冷静な人って印象がすごく強い。だから、無駄に声を荒らげたり、頭ごなし怒ったりなんていう理不尽なことは絶対しない。子どものころを振り返っても、怒鳴られた記憶って一回もないからね。

 だから、黒川家の怒鳴る役目は、いつも母親だった。母親は、父親とはまるで正反対な性格。感情的に動く人だし、細かいことはまったく気にしない大ざっぱな人。教育熱心でもあったから、よく怒られたよ。ちなみに、父親が怒る時は、いつもドライブに誘ってくる。二人っきりの車内で、ふいに、優しくボソッって、ボクにいうんだよね。「お母さんをあんまり悲しませるんじゃないぞ」って。この優しくたしなめる感じが、けっこう怖かった。というか、怒り方も、みごとに真逆だね(笑)。 そんな両親だから、日頃から、ほんとケンカが絶えない。まあ、そりゃそうなるよね。でも、どんなにひどいケンカをしても、翌日には、何事もなかったかのように仲直りしているのが、ボクの両親の良いところ。

 あと、父親は、とにかくパチンコが大好き。パチンコでは、常に勝っている人だった。ドル箱を10箱以上も重ねることも珍しくなくて、周囲のお客さんが「すごいね、お父さん」って、わざわざボクに声をかけてくるくらいだった。「当たる台が俺には分かるんだ」って、父親がよく漏らしていたのも覚えている。

 浪人時代には、軍資金1万円をもらって、一緒によく連れていってもらったな。「勝ったら軍資金は返せよ」と言われていたけど、結局一回も返せなかった。当時のボクは、そんな父親の勝負師のような姿が、とてもかっこよく見えた。真剣勝負に負けない男っていいなってね。

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