AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:職場でミスをし、上司に怒鳴られました。ショックで思い出すと胸の辺りに嫌な感じが広がります。翌日謝罪をされたので、こちらが悪かったのでと対応。心の中では一線を引いて「口が悪くてと言ったけどそんな言葉でごまかすな、怒鳴るのは人間性でしょう、許さない、言われたことは消えない」と思っています。さっさと忘れて楽しく生きたいとも思います。(女性/パート事務員/43歳/しし座)
A:心の中がぐちゃぐちゃになっている様子が伝わってきました。こういうことがあると、職場に行ってもどう表情を作ったらいいのかわからないし、ビクビクしてしまいますよね。このご相談からいくつか大事なことに気づきました。
一つめは、上司の方の「謝罪」は、本人にまったく届いていないということ。周りから言われたのかもしれないし、大ごとにしないために形だけの謝罪をしたのかもしれませんが、相手に響いていない。それが一線を越えてしまった要因になっています。謝罪というのは不思議なことに、本当に悪かったと思っているかどうか相手に必ず伝わるものです。それはみなさんにお伝えしておきたいです。
もう一つ、ご相談を読んで感じたのは、「人は、自分にひどいことをした相手に、強制的に興味を持つようにできている」ということ。占いの仕事をしていると、「別れた恋人のことが忘れられません」という恋愛相談を受けることがよくあります。でも、よくよく話を聞くと、ひどいことをされていたりする。人は、自分が持っている常識や、生きていく上での正しさ、世界観のようなものを壊したり踏みにじったりしてくる相手に対して、どうしようもなく興味を引かれてしまうんです。それは、相手が次に何をしでかすかわからず注意しないといけないから。
「離れたくても離れられない」のは、その人に本当に関心を持っているわけじゃなく、「命が脅かされているから興味を向けざるを得ない」だけのケースがあります。