最近、日本のメディアは戦争を扱うことに後ろ向きになるなど、社会が戦場ジャーナリストを必要としていないと感じる。しかも日本は、戦場ジャーナリストの評価は欧米に比べ低く、取材中に死亡したりしても「自己責任」で片づけられる。それでも、体が動く限りは「戦争」を伝えていきたいと話す。

「戦場では民間人や民間施設は攻撃してはいけないという国際ルールがあります。しかし、それがないがしろにされていることは許されない。その現実を知ってもらい、戦争を止める方向に動いてもらいたい」

 そして、自分の言葉に重みを持たせるには、自分で現場を取材しなければいけないと言う。

「また、いま戦争は情報戦になっていてインターネットで意図的に偽情報やフェイクが流されます。様々な情報が飛び交うからこそ、自分で取材しなければいけないと思っています」

(編集部・野村昌二)

AERA 2023年6月26日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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