今季が就任2年目の中日・立浪和義監督
今季が就任2年目の中日・立浪和義監督
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 中日・立浪和義監督への評価が分かれている。我慢して若手起用を続けており育成への期待度は高い。しかし時折顔を見せるスパルタ方式への批判もある。今後、勝利という結果とともに名将になることが期待されるが……。

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 中日は今季も開幕ダッシュに失敗し、いまや定位置となってしまった感もある最下位に沈んでいる。今季が2年目の立浪ドラゴンズに対して早々と諦めムードも出始めているが、風向きが少しづつ変わり始めている。

「立浪監督が就任時に掲げた投手陣を中心にした野球はできている。昨年までも定評があった投手陣のレベルがさらに上がった。もちろん点を取らないと勝てないが、今の投手陣ならどこが相手でも良い勝負はできる」(中日OB)

 エース大野雄大が左肘の手術で長期離脱したものの、同じ左腕の小笠原慎之介にエースの風格も出てきた。加えて、右腕の柳裕也は安定感を増し、WBCでも好投した高橋宏斗が成長を見せている。リリーフ陣も亡命したジャリエル・ロドリゲスが退団となったのは痛かったが、抑えのライデル・マルチネスを中心に、ベテラン祖父江大輔や勝野昌慶、清水達也らがブルペンを支えている。

 また、今季からは実績十分の涌井秀章が楽天から加わった。巡り合わせもあり負けが先行しているが、野球への姿勢を含めチームに好影響を与えている。

「野球はピッチャーが試合の8割を占めていくと自分は思っている。もう一度、投手陣をしっかり整備して、センターラインを固めた、守り勝つだけではいけないが、そういった野球をできるように。打つ方は1年間打てないと言われたが、必ず何とかします」(2021年10月29日、立浪監督就任会見)

 立浪監督の近年の低迷脱出にかける思いは強い。しかし目先の勝利と同時に中長期でのチーム再建も託されている。現状では勝利数こそ伸びてきてはいないものの、投手陣の再強化という公約は果たせている。あとは「打てない」チームをどうするかだ。

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打線も今後は期待できる?