帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)さん。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「いつも持っているもの」。

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【カバン】ポイント

(1)必要な日用品は常にカバンに入れて持ち歩いている

(2)カバンの四つのスペースにいろいろな物が入っている

(3)カバンはずっしりと重くて、持ってくれる人が驚く

 週のうち月、火、金は川越の病院、水、木は池袋のクリニックで診療。土、日は講演のために出かけることが多いです。なので、寝る場所もいろいろです。自宅だったり、クリニックがある池袋のホテルだったり、講演先のホテルだったりします。このため、身の回りに必要な日用品は常に持ち歩いています。「男はつらいよ」の寅さんのように大きめな年季の入ったカバンにすべてがそろっているのです。この黒革のカバンは2004年にクリニックができた頃に購入したと思うので、20年近く愛用していることになります。この中身はまさに私のプライバシーそのものです。でも、87歳にもなると、そんなものを隠す気にならないので、公開しますね。

 このカバンの中は四つのスペースに分かれています。

 第一のスペースには、革の袋に入った万年筆、ボールペン、インクのカートリッジ。布の袋に入った髭剃り、石鹸。小型の爪切りセット。そしてMSMクリームです。このクリームは夜中に足の筋肉がつった時に使うものです。日中、120分、立ったままで講演をすると、夜に足がつることがあるのです。

 第二のスペースは狭いので、たいして入っていません。住所録、手紙類、紙マスクなどです。

 さて、メインは第三のスペースです。まずは電子辞書とそれを見るのに必要な老眼鏡、ケースに入れてあります。補聴器とその電池を入れた布の入れ物。お口クチュクチュモンダミンの小瓶とポリデント。梅雲丹、これは日頃、自宅や職場に置いている梅肉エキスの携帯用です。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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