初春のお慶びを申し上げます。
みなさま、新しい年の初めの日を健やかにお迎えのことと思います。
さて、当たり前のように使っている、新年を表わす言葉の数々…、ちょっとずつ、意味が違うことをご存知でしょうか?
例えば…年賀状に必ず使う言葉に、「元日」「元旦」があります。それぞれにまつわるお話を通して、相応しい使い方を確認しましょう。

年賀状の最後に書く言葉はなぜ、「元旦」なのでしょう

『元日』と『元旦』似ていますが、意味は少し違います。
『元日』の「元」という文字は、「ハジメ」とも読みます。一年の初めの日と言う意味で、一月一日のことを言います。
そして、『元旦』の「旦」という文字は、「アシタ」と読み、元日の朝のことを言います。
ですから、年賀状の最後に『元旦』と書くのは、「あなたに今年初めての朝、ご挨拶申し上げました」という意味を二文字で伝えているわけですね。
別称として、それぞれ『鶏日(けいじつ)』、『鶏旦(けいたん)』という言い方もあるのですが、これにはちょっと面白い、古代中国の正月ならではのエピソードが…。

遠い昔、一月一日から七日までは、毎日占いをしていた?

遠い昔…中国では、一月の一日から七日まで毎日占いをしていました。
その対象は、一日から六日までは動物で、七日に人間を占っていました。
一日には、鶏(とり)を占っていたので、『鶏日(けいじつ)』、その朝を『鶏旦(けいたん)』と呼ぶようになりました。
ちなみに…
二日は狗(いぬ)を占うので『狗日(くじつ)』、三日は猪(いのしし)で『猪日(ちょじつ)』、四日は羊(ひつじ)で『羊日(ようじつ)』、五日は牛(うし)で『牛日(ぎゅうじつ)』、六日は馬(うま)で『馬日(ばじつ)』。
七日になり、やっと人を占い『人日(じんじつ)』と言います。
2015(平成27)年は未年(ひつじどし)。四日の占いはどのような結果になるのでしょう…。
何はともあれ、『一年の計は元旦にあり』ということわざもあります。
一月一日の朝は、ちょっとがんばって早起きし、一年の目標やテーマなど思い描くことを胸に、初日の出を拝む(おがむ)というのも良いのではないでしょうか?
みなさまにとって、今年一年が心豊かな日々でありますように…。