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ご近所には仲良しのお友達も多いそう。「今日は、石井幹子さんとお食事するのよ」とうれしそうな湯川さん。日々の疲れを癒してくれるのは、いい空気に温泉、おいしい食事、そして親友とのおしゃべりタイム
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うっそうとした緑に覆われる本殿。御祭神が鎮座したとき、神前に「麦こがし」をお供えしたことから、7月の例大祭は「こがし祭」とも呼ばれている
うっそうとした緑に覆われる本殿。御祭神が鎮座したとき、神前に「麦こがし」をお供えしたことから、7月の例大祭は「こがし祭」とも呼ばれている
本殿横の木には、ご利益にあやかろうとおみくじがぎっしり
本殿横の木には、ご利益にあやかろうとおみくじがぎっしり
境内にあるおやすみ処。「お詣りすると必ず寄ります。桜エビかきあげうどん(500円)がおすすめよ!」と語る湯川さん
境内にあるおやすみ処。「お詣りすると必ず寄ります。桜エビかきあげうどん(500円)がおすすめよ!」と語る湯川さん

音楽評論家・作詞家湯川れい子さん

■静かで清らかな熱海を選んで

 JR熱海駅から賑やかな温泉街を抜け、車で約5分。線路をくぐるトンネルを抜けると、明らかに辺りの空気感が変わった。

 ここ熱海の地主の神である来宮神社は、来福・縁起の神様として古くから信仰され、地元の人びとはもとより、多くの旅行者も参拝する。

 昨今、国内でも屈指のパワースポットとして話題を呼び、人気を集めているが、「ここに決めたのは本当に偶然なの」と語るのは、音楽評論家で作詞家の湯川れい子さん。

 東京から新幹線を利用すれば1時間もかからない熱海へ、静かな仕事場を求めてやって来た。熱海は海岸線が大きな入江になって広がり、そのため海は穏やか、2月でも早咲きの熱海桜が咲くほど、気候も温暖だ。周囲の山に守られた地形で台風の被害にも遭わず、今まで津波も一度もないという、何とも心も体も安らぐ土地なのだ。

「ここへ来るとスイッチが切り替わるの。静かで、ぐっすりとよく眠れるのよ」と微笑む湯川さん。仕事部屋のすぐ近くの来宮神社を知ったのはこの地に住んでから。「来宮神社へはほんの数分。熱海にいるときは毎日お詣りします」

■大楠のパワーにあやかって

 とにかく気がいい、と言う来宮神社で、特にお気に入りなのは、国指定天然記念物のご神木の大楠。樹齢が2000年以上で、高さが約25m、周囲が約24m。まさにご神体ともいうべき神々しいお姿の巨木だ。江戸末期まで「木宮明神」といわれ、神様の降臨した聖なる木として崇められていた。長い年月に耐え、衰えるどころか、ますます強く根を張る生命力に不老長寿、心願成就を願い、人びとは手を合わせる。お詣りすると清浄な気に包まれ心が澄んでくるようだ。

 熱海ライフを満喫する湯川さんだが、公園に隣接するという東京のご自宅でも、緑や花を取り入れた暮らしを楽しんでいる。天井が高く、大きな窓からはたっぷりの日差しが入り、ベランダでストレチアなどの植物を育てたり、どこよりも早くソーラーパネルを設置するなど、自然の恵みをいっぱいに受けて暮らしている。

 オンとオフを上手に切り替えている湯川さん、最近のイチオシ・アーチストは?との問いに、ズバリ「ル・ヴェルヴェッツよ」とにっこり。全員音楽大学出身のテノール3人、バリトン2人の男声ボーカルグループで、実力とビジュアルを備えた彼らに注目し、応援している。湯川さんはこれからも独自の感性で、新しい音楽シーンを紹介し続けてくれるに違いない。

■湯川 れい子(ゆかわ れいこ)
東京都目黒区生まれ。1960年にジャズ専門誌『スイング・ジャーナル』へ投稿しジャズ評論家としてデビュー。72年からアメリカのヒットチャート番組「全米TOP40」のDJを始め、以来、エルヴィス・プレスリーやビートルズをいち早く日本に紹介するなど、国内外のポップスを広く評論・解説を手がける。また、作詞家としても活躍。数々のヒット作を生み出し続けている。

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