株式会社GAGEX提供
株式会社GAGEX提供
株式会社GAGEX提供
株式会社GAGEX提供
株式会社GAGEX提供
株式会社GAGEX提供

 小さいころに、友だちと連れ立って行った近所の駄菓子屋さん。棚には色とりどりのお菓子や不思議なおもちゃが並び、見ているだけでわくわくした経験もあるだろう。そんな「昭和の駄菓子屋」を舞台にした、スマートフォン(スマホ)のゲームアプリが話題となっている。

 株式会社GAGEX(ガジェックス、東京都墨田区)が2014年8月にリリースした、「昭和駄菓子屋物語」(iOS、Androidとも対応、無料)は、さびれた駄菓子屋を繁盛させるのが目的のゲームアプリ。懐かしい雰囲気の駄菓子やおもちゃがそろう店を切り盛りするシミュレーション要素を楽しむだけでなく、ゲームを進めていくにつれて明かされる、店主のおばあちゃんと孫がやりとりする手紙の内容が、「切ない」、「泣ける」などと評判となっているという。

 このゲームは、東京五輪(1964年)前の昭和30年代、優しいけれど、怒るとちょっと怖いおばあちゃんが切り盛りする、ガラガラの駄菓子屋が舞台となっている。プレーヤーは、お菓子やおもちゃを仕入れてお店に子どもたちを呼び込み、回収したお金で、品ぞろえをパワーアップさせていく。

 遊び方は簡単で、まずは仕入れで商品を増やす。そして、来店する子どもたちをタップして、代金を集めていく。一定のお金がたまると、仕入れるお菓子やおもちゃがレベルアップする仕組みだ。

 お菓子やおもちゃがレベルアップすると、新しい商品が仕入れられるようになり、図鑑に登録される。ゲームに登場するお菓子は、「謎の酸っぱいヨーグルト」や「コーラ味の」、「ニセ警察手帳」といった懐かしい雰囲気のものばかりで、眺めていると昔を思い出して、ついにやにやしてしまいそうだ。お店の温かい雰囲気だけでなく、来店するおかっぱ頭の女の子やランニングに短パン姿の男の子など、ゲームの随所に「昭和テイスト」が盛り込まれていてほっこりする。

 また、ゲームを進めると、孫を案じ、優しく諭すおばあちゃんと、素直に心を開く孫との、なんともほほ笑ましい手紙を入手できる。しかし、孫が成長するにつれて手紙のやりとりに変化が起き、意外な結末が待っているという。

 このゲームは、同社の井村剣介社長(38)が「昭和をモチーフにしたゲームを作りたい」という思いで開発。登場するアイテムは、実際に自分が買っていたものを参考にしたのだという。井村社長は「生活のすき間すき間で、いろいろな思いを持ってゲームを楽しんでもらえれば」と話している。

 当時子どもだった人には懐かしく、今の10代、20代には新鮮に映るかもしれない昭和の世界観がひしひしと伝わってくるこのアプリ。登場人物がおりなす温かい雰囲気に癒やされてみてはいかがだろうか。