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 1970年代に一大ブームとなった「スペースインベーダー」を覚えているだろうか?

 1978年にタイトーが開発した「スペースインベーダー」は瞬く間にブームとなり、全国各地のゲームセンター、喫茶店、旅館に「スペースインベーダー」やそれを模倣したゲーム機が設置された。そして、ゲーム機が置かれた喫茶店には、大量の100円硬貨をテーブルに積み上げ、プレイし続けた人も見かけられたほどだ。ブームは数年で終わったものの、今なお根強いファンがいる。

 2014年7月5日、長崎県佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」に、「ゲームの王国」と題するアトラクションが登場し、懐かしいものから最新のものまで様々なゲームを体感することができる「ゲームミュージアム」がオープン。その一角に、懐かしのゲーム喫茶を再現したかのような「UFOゲーム喫茶」が同時にオープンした。

 この喫茶店には、全てのテーブルに「スペースインベーダー」、「アルカノイド」、「マジェスティックトゥエルブ」、「ルナレスキュー」などのゲーム筐体が設置され、飲食しながらゲームをプレイすることができる。ナポリタンやクリームソーダなど70年代に人気だった懐かしのメニューもあり、また、店内にはどこか懐かしいゲームのポスターが飾られていて、さながらあの時代にタイムスリップしたかのような雰囲気が味わえる。

 ハウステンボスでは、「ゲームの王国」のような、他のテーマパークにはない個性的なイベントや展示を数多く行ってきた。だが、これまでの道のりは決して安泰ではなかった。

 92年に開業したハウステンボスは、オランダの街の雰囲気を再現した建物や庭園が人気を集め、当初は多数の来場者が訪れたものの、赤字経営が続いた。来場者数も96年に380万人を記録して以降減り続け、2003年には運営会社が経営破たんに追い込まれた。その後の経営再建も困難を極め、09年度には141万人まで落ち込んだ。

 その後、10年に大手旅行代理店のH.I.S.が経営に参入。入園料の値下げや園内一部の無料開放、またAKB48のライブ、「100万本のバラ祭」、1000万個のイルミネーションを設置する「光の王国」など、様々なイベントを開催。これにより13年9月期には、来場者数が年間200万人を超えるまでに回復し、黒字転換も果たした。更に、リクルートが発行する旅行情報雑誌「九州じゃらん」における「じゃらん九州・山口人気観光地ランキング」では、昨年から2年連続の1位に輝いたのだ。

 今回のゲームミュージアムでは他にも、人気ゲームキャラクターの世界観を体感できるアトラクションや、ヘッドマウントディスプレイを使った乗馬体験ゲーム、1972年から現在に至るまでのゲーム機を一挙に集めた展示などが用意されている。また、期間限定で53m×11mの3D巨大画面で遊べる「太鼓の達人」のアトラクションも設けられている。

経営破綻というどん底を乗り越え、進化続ける「ハウステンボス」の、新しいアトラクションに期待だ。